【2026年7月28日】外国人雇用の長期休暇対策|事故を防ぐ企業の準備とは

お盆や年末年始、ゴールデンウィークなどの長期休暇を前にすると、「休み中に事故やトラブルが起きたらどうしよう」「一時帰国した社員が予定どおり戻れるだろうか」と不安を感じる企業担当者も多いのではないでしょうか。

外国人社員に限った話ではありませんが、日本での生活経験が短い人の場合、交通ルールや地域のごみ出し、緊急時の連絡方法を十分に把握できていないことがあります。

大切なのは、注意事項を一度読み上げて終わることではありません。いつ休みが終わるのか、何が起きたら誰へ連絡するのか、事故や病気の際にどう動くのかまで、本人が後から確認できる形で伝えておくことです。

この記事では、外国人社員の長期休暇前に企業が確認したい内容と、休暇中・休暇明けまでを見据えた連絡体制の整え方をご紹介します。

結論からお伝えすると、長期休暇前の確認は、外国人社員を管理・監視するためのものではありません。本人が安心して休暇を過ごし、事故や生活トラブルが起きたときに適切に対応できるようにするための支援です。

私たちREが現場でよく感じるのは、企業側は「以前に説明したから知っている」と思っていても、本人は細かな部分まで理解できていなかった、というケースです。

例えば、「事故があれば会社へ連絡してください」と伝えていても、休日用の連絡先が分からなければ連絡できません。「休暇明けは通常どおり」と伝えていても、勤務場所や集合時間が普段と違えば混乱します。

そのため、長期休暇前には次の3段階を意識しておくと安心です。

  • **休暇前:**予定・ルール・連絡先を共有する
  • **休暇中:**緊急時に連絡できる体制を維持する
  • **休暇明け前:**出勤日や帰国状況を再確認する

「伝えたかどうか」ではなく、本人が理解し、必要なときに行動できる状態かまで確認することが大事なんですよね。

休暇期間と休暇明けの出勤日

まずは、休暇の開始日・終了日、次回の出勤日時、勤務場所を具体的に伝えます。

「会社の休みは〇日までです」だけではなく、次に働く日と時間までセットで伝えてください。

あわせて、遅刻や欠勤が見込まれる場合の連絡期限と方法も決めておきます。

例えば、

  • 休暇期間:8月10日から8月18日まで
  • 次回出勤:8月19日午前8時
  • 勤務場所:〇〇工場
  • 出勤できない場合:始業1時間前までに担当者へLINEと電話

というように、曖昧さをなくしておくことがポイントです。

口頭だけでは忘れてしまうこともあるため、紙、LINE、社内チャットなど、本人が後から確認できる方法でも共有しておくと安心です。

緊急連絡先と連絡が必要な場面

会社が休業している期間は、通常の代表電話がつながらないこともあります。そのため、休暇中の緊急連絡先を別に決めておきましょう。

共有する内容は次のとおりです。

  • 担当者名
  • 電話番号
  • LINEなどの連絡方法
  • 連絡してよい時間
  • 担当者につながらない場合の第二連絡先

また、「緊急のときに連絡してください」だけでは、どの程度の出来事が緊急なのか判断しにくいことがあります。

次のような場合は、すぐに連絡するよう具体的に伝えます。

  • 交通事故が起きた
  • 警察や救急車を呼んだ
  • 大きな病気やけがをした
  • 在留カード、財布、携帯電話をなくした
  • 事件やトラブルに巻き込まれた
  • 日本へ予定どおり戻れない
  • 休暇明けに出勤できない

本人が迷ったときは、「一人で判断せず、まず相談してください」と伝えておくことも大切です。

交通ルールと飲酒運転

長期休暇中は、車やバイク、自転車で外出する機会が増えることがあります。

注意喚起では、「交通事故に気をつけてください」だけで終わらせず、具体的な禁止事項と事故発生時の行動まで説明します。

  • お酒を飲んだ後は、車・バイク・自転車を運転しない
  • 運転中に携帯電話を使用しない
  • 信号、一時停止、速度制限を守る
  • 自転車でも交通ルールを守る
  • 事故が起きても現場から離れない
  • けが人がいれば119番、事件・事故は110番へ連絡する
  • その後、会社の緊急連絡先へ報告する

自転車も道路交通法上は車両として扱われます。飲酒運転やスマートフォンを使用しながらの運転は、自転車であっても認められません。

自転車保険やヘルメットの着用については、居住地域のルールや会社方針もあわせて確認しておくと安心です。

旅行・一時帰国の予定

外国人社員が休暇中に旅行や一時帰国を予定している場合は、事前に会社へ相談してもらいましょう。

一時帰国そのものを制限するのではなく、休暇明けに無理なく出勤できる予定になっているかを一緒に確認することが目的です。

事前に確認したい内容は次のとおりです。

  • 出国日と帰国予定日
  • 渡航先
  • 利用する航空便
  • パスポートの有効期限
  • 在留カードの有効期限
  • 再入国に必要な手続き
  • 緊急時の連絡先

航空便は、天候や機材トラブルなどで遅延・欠航することもあります。帰国日を休暇最終日の深夜に設定すると、少しの遅れでも出勤に間に合わなくなります。

特定技能外国人の場合は、必要に応じて登録支援機関や支援担当者にも予定を共有し、日本へ戻れない場合はすぐに連絡するよう伝えておきます。

副業と在留資格のルール

長期休暇中は、友人から仕事を頼まれたり、SNS上で副業を勧められたりする可能性があります。

ただし、外国人社員が日本で行える仕事は、在留資格によって異なります。会社が認めているかどうかだけでなく、在留資格上、その活動が許されているかも確認が必要です。

休暇前には、次の内容を伝えておくと安心です。

  • 会社へ相談せずに副業をしない
  • 在留資格で認められていない仕事をしない
  • 友人の代わりに働かない
  • 他人名義で働かない
  • 銀行口座やキャッシュカードを貸さない
  • 携帯電話や在留カードを他人へ渡さない
  • SNS上の「簡単に稼げる仕事」に応募しない

本人が「この仕事はしても大丈夫ですか」と迷ったときに、先に相談できる環境をつくることが、トラブル防止につながります。

住居・ごみ・騒音などの生活ルール

休暇中は自宅で過ごす時間が増え、友人を招く機会もあるかもしれません。そのため、住居や地域の生活ルールも改めて確認しておきます。

  • 夜間に大きな音を出さない
  • 大人数を招く場合は近隣へ配慮する
  • ごみ出しの曜日と分別を守る
  • 廊下や階段など共用部分へ物を置かない
  • 外出時は火の元、ガス、水道を確認する
  • 長期間留守にする場合は戸締まりをする
  • 近隣トラブルが起きた場合は会社へ相談する

ここで大切なのは、「文化が違うから問題が起きる」と考えないことです。

ごみの分別や収集日、集合住宅のルールは地域ごとに異なり、日本人でも転居後すぐには分からないことがあります。一般論ではなく、本人が住んでいる地域の具体的なルールを示す方が伝わりやすくなります。

病気・けが・災害への対応

夏のお盆休みであれば熱中症や食中毒、冬の長期休暇であれば感染症など、季節に応じた健康上の注意も必要です。

また、台風、大雨、地震などの災害が起きたときに、どこへ避難すればよいか分からない外国人社員もいます。

休暇前には次の内容を確認します。

  • 体調が悪いときの病院の探し方
  • 緊急の病気やけがは119番
  • 事件や事故は110番
  • 緊急でない警察相談は最寄りの警察署などを利用する
  • 自宅周辺の避難場所
  • 自治体の防災情報を確認する方法
  • 会社への連絡手順

避難場所は、住所だけではなく地図やスマートフォンの画面で一緒に確認すると分かりやすくなります。

休暇明けの出勤確認

長期休暇前に説明して終わりではなく、休暇明けの数日前にもう一度確認することをおすすめします。

  • 次回出勤日と時間を再連絡する
  • 一時帰国者が日本へ戻っているか確認する
  • 本人の体調を確認する
  • 台風や大雨など交通への影響を確認する
  • 欠勤や遅刻が見込まれる場合は早めに連絡してもらう

これは管理のためというより、休暇明けの不安や行き違いを減らすためのフォローです。

定着支援というと大きな取り組みを想像されるかもしれませんが、こうした小さな確認の積み重ねが、「会社は自分のことを見てくれている」という安心感につながるんですよね。

やさしい日本語を使う

外国人社員への説明では、難しい言葉や長い文章を避け、短く具体的に伝えます。

例えば、「休暇明けは通常勤務となります」ではなく、「次の仕事は8月19日の朝8時からです」と伝える方が分かりやすくなります。

一文の中に複数の指示を入れず、一つずつ伝えることもポイントです。

口頭だけでなく文字に残す

口頭説明だけでは、後から確認できません。

紙、LINE、メール、社内チャットなどを使い、休暇期間、出勤日、連絡先を文字で残しましょう。

連絡先は電話番号だけではなく、担当者名と連絡方法も記載します。

母国語を併用する

重要な内容は、必要に応じて母国語を併用すると安心です。

ただし、自動翻訳だけでは意味がずれることもあります。特に在留資格、交通事故、病気、緊急連絡などの重要事項は、本人が正しく理解できているか確認してください。

「禁止」だけでなく対応方法まで伝える

「飲酒運転は禁止です」「副業は禁止です」とだけ伝えても、問題が起きた際の行動までは分かりません。

  • 事故が起きたら現場を離れず110番する
  • けが人がいれば119番する
  • 仕事を紹介されたら、始める前に会社へ相談する
  • 帰国便が遅れたら、分かった時点ですぐに連絡する

というように、具体的な行動まで説明することが大切です。

理解できたか本人に確認する

最後に「分かりましたか」と聞くだけでは、本人が遠慮して「分かりました」と答える場合があります。

「事故が起きたら、最初に何をしますか」「次の仕事は何日の何時からですか」と本人の言葉で答えてもらうと、理解度を確認しやすくなります。

休暇中の緊急連絡体制を整える方法

緊急連絡体制は、担当者を一人決めるだけでは十分ではありません。

まず、一次連絡先と二次連絡先を決めます。一次担当者が運転中や就寝中などで対応できない場合に、次に誰へ連絡するかまで決めておくと安心です。

連絡体制には次の内容を含めます。

  • 一次担当者の氏名・電話・LINE
  • 二次担当者の氏名・電話・LINE
  • 対応可能な時間
  • 夜間・早朝の連絡基準
  • 警察・消防・医療機関への連絡を優先する場面
  • 登録支援機関への共有方法
  • 事故やトラブル発生時の社内報告手順

緊急時は、会社への連絡より先に110番や119番が必要な場合もあります。

外国人社員には、**「命や安全に関わるときは警察・消防へ先に連絡し、その後会社へ連絡する」**と説明しておきましょう。

担当者側も、連絡を受けた際に確認する項目をあらかじめ決めておくと動きやすくなります。

  • 本人の現在地
  • けが人の有無
  • 警察・救急への連絡状況
  • 在留カードや財布などの紛失物
  • 一緒にいる人
  • 折り返し可能な電話番号

外国人社員への案内文例

以下は、N4程度でも理解しやすい「やさしい日本語」の例です。日付や担当者名を入れ替えて、そのまま使用できます。

長い休みについて

長い休みは【〇月〇日】から【〇月〇日】までです。

次の仕事は【〇月〇日・〇時】からです。

仕事の場所は【勤務場所】です。

仕事に来ることができないときは、【〇時】までに連絡してください。

事故・病気について

事故や大きな病気があったときは、すぐに【担当者名】へ連絡してください。

けが人がいるときは、119番へ電話してください。

事件や交通事故のときは、110番へ電話してください。

事故があったときは、その場所から逃げてはいけません。

交通ルールについて

お酒を飲んだあとは、車、バイク、自転車を運転してはいけません。

運転しながら、携帯電話を使ってはいけません。

旅行・一時帰国について

外国へ行くときは、先に会社へ教えてください。

パスポートと在留カードを確認してください。

日本へ予定どおり戻れないときは、すぐに連絡してください。

副業・生活について

会社へ相談しないで、ほかの仕事をしてはいけません。

銀行口座、キャッシュカード、携帯電話、在留カードを人に貸してはいけません。

困ったときは、一人で決めないで、会社へ相談してください。

長期休暇前チェックリスト

□ 休暇期間を伝えた
□ 次回の出勤日と時間を伝えた
□ 緊急連絡先を共有した
□ 連絡が必要な場面を説明した
□ 交通ルールと飲酒運転について説明した
□ 一時帰国や旅行の予定を確認した
□ 在留カードと在留期限を確認した
□ 副業やSNS上の勧誘について注意した
□ ごみ・騒音など住居のルールを確認した
□ 病気、事故、災害時の対応を説明した
□ 本人が内容を理解できたか確認した
□ 休暇明け前に再度連絡する予定を決めた

長期休暇前の注意喚起だけで、すべてのトラブルを防げるわけではありません。

緊急時に外国人社員が会社へ相談できるかどうかは、普段からの関係性に大きく左右されます。

日頃ほとんど会話がなく、「問題があったら連絡してください」とだけ伝えても、本人は「こんなことで連絡していいのかな」と迷うかもしれません。

定期面談や日常の声掛けを通じて、

  • 相談しても怒られない
  • 分からないことを聞いてもよい
  • 会社は生活面の困り事も一緒に考えてくれる

という安心感をつくっておくことが大切です。

私たちREは、長期休暇前の案内も定着支援の一部だと考えています。

注意事項を一方的に並べるのではなく、なぜ必要なのか、何が起きたら誰へ相談するのかまで一緒に確認する。こうした事前の仕組みづくりが、事故や離職を防ぎ、「人が辞めない現場」につながっていきます。

外国人社員の長期休暇前には、休暇期間や次回出勤日だけでなく、交通ルール、一時帰国、副業、住居、病気・災害時の対応まで確認しておくことが大切です。

ただし、注意事項を一度伝えるだけでは十分ではありません。

  • 本人が理解できる日本語や母国語で伝える
  • 後から確認できるよう文字に残す
  • 何が起きたら誰へ連絡するか明確にする
  • 休暇明け前にも出勤状況を確認する

こうした準備があることで、外国人社員本人も企業担当者も安心して長期休暇を迎えられます。

そして、緊急時に連絡できる関係は、休暇前だけでつくれるものではありません。日頃の面談や声掛け、日本語教育、生活支援の積み重ねが、外国人社員の定着につながります。

外国人社員への長期休暇前の説明や緊急連絡体制、生活ルールの周知について、「どこまで伝えればよいか分からない」と感じる企業様も少なくありません。

株式会社REでは、外国人材の採用だけでなく、定期面談、生活支援、日本語教育、緊急時対応、企業との情報共有まで一貫して支援しています。

私たちは、人材を紹介することだけではなく、問題が起きにくい仕組みを企業様と一緒につくることが仕事だと考えています。外国人社員の受入れや定着についてお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

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