【2026年7月30日】育成就労制度は2027年開始|技能実習との違いを解説

育成就労制度の現時点の状況|企業が今から準備すべきことを分かりやすく解説
「技能実習制度は、すぐになくなるのでしょうか」
「育成就労制度はいつから始まるのですか」
「今いる技能実習生は、制度が始まったらどうなりますか」
最近、外国人雇用を行う企業様から、こうしたご相談をいただくことが増えてきました。
結論からお伝えすると、育成就労制度は2027年4月1日から開始されます。ただし、現在受け入れている技能実習生が、その日から一斉に育成就労へ変更されるわけではありません。技能実習を継続できる経過措置も設けられています。
この記事では、育成就労制度について、現時点で決まっていること、今後も確認が必要なこと、技能実習や特定技能との違い、企業が今から準備しておきたい内容を、現場目線で整理します。
育成就労制度とは
育成就労制度が創設される背景
育成就労制度は、現在の技能実習制度を発展的に解消し、外国人材の人材育成と人材確保を目的として創設される新しい制度です。
技能実習制度は、本来、日本で身につけた技能を母国へ移転する国際貢献を目的としていました。一方、実際の受入現場では、製造業、食品製造業、建設業など、人手不足を補う仕組みとして利用されてきた面もあります。
また、勤務先の変更が限定されていたことや、外国人本人のキャリアが見えにくいこと、人権保護や送出し費用などの課題も指摘されてきました。
新制度では、制度上の目的と現場の実態を合わせ、外国人材を育てながら、人手不足分野で長期的に活躍してもらう仕組みへ整理されます。
育成就労制度の目的
育成就労制度の大きな目的は、原則3年間の就労を通じて、外国人材を特定技能1号の水準まで育成することです。
つまり、育成就労は短期的に人員を補充する制度ではありません。
企業には、任せた仕事をしてもらうだけではなく、
- 技能を計画的に教える
- 仕事で必要な日本語を学べるようにする
- 定期的に成長を確認する
- 特定技能への移行を支援する
という育成の役割が求められます。
私たちREが大切にしている「外国人材を将来の中心人材として育てる」という考え方とも、非常に相性のよい制度だと感じています。
育成就労制度はいつから始まるのか
現時点で公表されている開始時期
育成就労制度の施行日は、2027年4月1日です。
以前は「2027年頃」「公布から3年以内」と説明されることもありましたが、現在は正式な開始日が決まっています。
また、制度開始に先立ち、監理支援機関の許可申請や育成就労計画の認定申請など、一部の事前手続きが2026年中から順次始まります。
そのため、育成就労での受入れを検討している企業は、2027年になってから準備を始めるのではなく、2026年中に業務内容、教育体制、支援機関との連携を整理しておく必要があります。
技能実習制度からの移行期間
2027年4月1日に育成就労制度が始まっても、技能実習制度がその日に完全終了するわけではありません。
施行日前に技能実習計画の認定や在留資格認定証明書の交付を受け、定められた期限までに入国するケースなどについては、技能実習を行える経過措置があります。
また、施行日時点ですでに技能実習を行っている人についても、一定の条件を満たせば、現在の技能実習を継続できる仕組みが用意されています。
企業としては、「制度が変わるから、今いる実習生もすぐ変更しなければならない」と慌てる必要はありません。
ただし、入国日、技能実習の段階、計画認定の時期などによって取扱いが変わるため、一人ずつ状況を確認することが大切です。
現在在籍している技能実習生への影響
現在雇用している技能実習生は、育成就労制度の開始によって自動的に育成就労へ切り替わるわけではありません。
施行時点で技能実習中の人は、経過措置の範囲内で技能実習を続けられる場合があります。
ただし、技能実習2号から3号へ進む場合などには、施行日時点での実習期間や認定状況が関係します。
企業が今行うべきことは、在籍者ごとに次の内容を整理することです。
- 現在の技能実習区分
- 入国日と在留期限
- 次の段階への移行予定
- 技能実習計画の認定状況
- 特定技能への変更予定
対象者を一覧にしておくだけでも、制度移行時の混乱をかなり減らせます。
技能実習制度と育成就労制度の違い
| 比較項目 | 技能実習 | 育成就労 |
| 制度目的 | 開発途上国等への技能移転 | 人材育成と人材確保 |
| 基本的な期間 | 最長5年 | 原則3年以内 |
| 育成目標 | 技能実習計画に沿った技能修得 | 特定技能1号水準への育成 |
| 対象分野 | 技能実習の移行対象職種・作業 | 特定技能との連続性を前提に分野ごとに設定 |
| 転籍 | 原則制限。やむを得ない事情等で可能 | やむを得ない事情に加え、一定条件下で本人意向による転籍を認める |
| 日本語能力 | 統一的な到達目標は限定的 | 入国時・就労中・修了時に段階的な目標を設定 |
| 支援・監理 | 監理団体が監理 | 許可を受けた監理支援機関が指導・監督・相談対応 |
| キャリア | 帰国後の技能移転が中心 | 特定技能1号への移行を見据える |
| 企業の役割 | 技能実習計画に沿った実習 | 技能・日本語・キャリアを計画的に育成 |
一番大きな違いは、制度の目的が明確に変わることです。
育成就労では、外国人材を「実習生」として受け入れるのではなく、雇用する人材として育成し、特定技能へつなげることが前提になります。
育成就労制度と特定技能制度の違い
| 比較項目 | 育成就労 | 特定技能1号 |
| 位置付け | 技能と日本語を身につける育成段階 | 一定の技能を持つ人材の就労段階 |
| 基本的な期間 | 原則3年以内 | 通算5年まで |
| 技能水準 | 就労しながら段階的に習得 | 分野別試験等で一定水準を確認 |
| 日本語能力 | 入国時から修了時まで段階的に向上 | 原則N4・A2相当以上。分野により上乗せあり |
| 転籍 | 一定の条件と手続きを満たす場合に可能 | 同一分野内など、在留資格要件を満たせば転職可能 |
| 支援体制 | 監理支援機関等による監理・相談対応 | 受入企業または登録支援機関が1号支援を実施 |
| 次のキャリア | 特定技能1号への移行を想定 | 特定技能2号や他の在留資格への移行を検討 |
育成就労は「これから育つ人」、特定技能は「一定の技能を身につけた人」を受け入れる制度と考えると分かりやすいと思います。
育成就労を終えれば自動的に特定技能へ変更できるわけではなく、必要な技能や日本語の水準を満たし、在留資格変更の手続きを行う必要があります。
育成就労制度で現時点までに決まっていること
2026年7月29日時点では、法律だけでなく、関係省令、運用要領、分野別運用方針の公表も進んでいます。
主な確定事項は次のとおりです。
- 制度の施行日は2027年4月1日
- 目的は人材育成と人材確保
- 原則3年以内の育成就労計画を作成する
- 技能と日本語能力の目標を計画に記載する
- 特定技能1号への移行を見据えた制度とする
- 育成就労計画は認定制となる
- 監理型では、許可を受けた監理支援機関が関与する
- やむを得ない事情がある場合の転籍制度を整備する
- 一定条件のもとで本人意向による転籍を認める
- 受入企業には適正な労働条件、育成、相談体制等が求められる
- 技能実習からの経過措置を設ける
制度の骨格は、すでにかなり具体的になっています。
今の段階は、「制度が始まるか分からない」という状況ではなく、企業が自社の受入体制を制度に合わせて整えていく段階です。
今後も確認が必要な内容
基本的なルールは決まっていますが、分野や企業の状況によって確認が必要な実務情報も残っています。
特に次の内容は、最新の分野別資料や運用要領を確認する必要があります。
- 自社の事業所が対象分野に該当するか
- 外国人材へ任せる業務が対象業務区分に該当するか
- 分野ごとの転籍制限期間
- 分野ごとの日本語・技能要件
- 分野ごとの上乗せ基準
- 受入人数枠
- 送出国ごとの手続き
- 認定申請で求められる具体的な書類
- 費用負担の実務的な取扱い
- 現在の技能実習生に適用される経過措置
「育成就労なら、どの製造現場でも受け入れられる」というわけではありません。
事業所の業種と、本人が行う業務区分の両方を確認する必要があります。
育成就労制度で外国人材に求められること
技能の習得
育成就労では、3年間ただ勤務するのではなく、育成計画に沿って技能を身につけることが求められます。
企業側は「何年目までに何をできるようにするか」を整理し、外国人材側も目標に向けて学ぶ必要があります。
例えば製造業であれば、
- 1年目:安全ルールと基本作業
- 2年目:機械操作や品質基準
- 3年目:複数工程への対応と特定技能試験の準備
というように、段階的な教育を考えることが大切です。
日本語能力の向上
育成就労では、日本語学習がこれまで以上に重要になります。
必要なのは、試験に合格するための日本語だけではありません。
- 作業指示を理解する
- 危険を報告する
- 分からないことを質問する
- 周囲と相談する
- 自分の体調や困り事を伝える
といった、現場で使える日本語が定着を左右します。
教材を渡して本人任せにするのではなく、勤務時間や教育担当者、学習方法を企業側も一緒に考える必要があります。
特定技能1号への移行
育成就労制度は、特定技能1号への移行を見据えています。
3年間で必要な技能と日本語能力を身につけ、要件を満たした人は、特定技能1号への在留資格変更を目指せます。
企業にとっても、育成就労から特定技能へ進んでもらえれば、長期的な人材育成が可能になります。
そのため、入社時から「3年後にどうなってほしいか」を本人と共有しておくことが大切です。
転籍に関する考え方
育成就労では、やむを得ない事情がある場合に加え、一定の条件を満たせば、本人の希望による転籍も認められます。
ただし、いつでも自由に会社を変更できる制度ではありません。
本人意向による転籍には、
- 一定期間、現在の企業で就労していること
- 一定の技能と日本語能力を有すること
- 転籍先が適切な受入企業であること
- 分野や業務区分等の条件を満たすこと
などが求められます。
転籍制限期間は分野ごとに1年以上2年以下の範囲で設定され、企業が一定の条件下で1年とする仕組みもあります。
転籍を防ぐために外国人材を縛るのではなく、「この会社で働き続けたい」と思ってもらえる環境をつくることが、これまで以上に重要になります。
育成就労制度で受入企業に求められること
技能を教える教育体制
育成就労制度では、誰が何を教えるのかを明確にする必要があります。
現場責任者へ「適当に教えておいて」と任せるだけでは、教育内容にばらつきが出ます。
- 教育担当者を決める
- 作業ごとの習得目標を設定する
- 写真や動画を使ったマニュアルを作る
- 定期的に習得状況を確認する
といった仕組みが必要です。
日本語教育
日本語教育も、外国人本人だけの課題ではありません。
企業が現場用語を整理し、学習機会を用意することで、安全性や生産性も高まります。
「日本語ができる人を採る」という視点だけでなく、「入社後に伸ばせる環境をつくる」という考え方が大事なんですよね。
適正な労働条件と評価制度
給与、労働時間、休日、残業代などの労働条件を適正に整えることは、制度上の要件であると同時に、定着の基本です。
また、何をできるようになれば評価や給与が上がるのかも明確にしておくと、本人が目標を持ちやすくなります。
日本人社員と同じように、能力や成長を評価する仕組みが求められます。
相談・面談体制
外国人材は、仕事だけでなく、住居、病院、家族、言葉、人間関係などの悩みを抱えることがあります。
問題が大きくなってから対応するのではなく、定期的に面談し、小さな変化を早めに把握することが重要です。
相談窓口を設けても、相談しづらい雰囲気では機能しません。
普段から声を掛け、「困ったときは相談していい」と伝えておくことが定着支援につながります。
外国人材のキャリア形成
育成就労から特定技能へ進み、その後も企業で長く働いてもらうには、将来の道筋を見せる必要があります。
- どの技能を身につけるのか
- 特定技能へいつ移行するのか
- 資格取得をどう支援するのか
- 将来どの仕事を任せるのか
- リーダーや教育担当者になれるのか
こうしたキャリアを本人と共有できる企業ほど、長期的な定着につながると考えています。
企業が今から準備すべき7つのこと
1.現在の外国人雇用状況を整理する
在留資格、在留期限、入社日、担当業務、今後の資格変更予定を一覧にします。
技能実習、特定技能、技人国では、認められる業務や管理方法が異なります。
2.外国人材に任せる業務を明確にする
「工場勤務」「現場作業」だけではなく、具体的な工程や作業内容まで整理します。
対象分野・業務区分との整合を確認するためにも必要です。
3.技能の教育計画を作る
入社から3年間で、何を、誰が、いつまでに教えるかを決めます。
日本人社員の教育にも使える仕組みにすると、現場全体の標準化につながります。
4.日本語教育の方法を決める
オンライン教材、集合研修、社内教育、外部講師など、自社で継続できる方法を検討します。
現場用語と安全に関する日本語を優先すると実務的です。
5.定期面談と相談体制を整える
面談の頻度、担当者、記録方法、通訳の有無を決めます。
相談を受けた後、誰が対応するかまで整理しておくことが大切です。
6.評価・昇給・キャリアの仕組みを考える
能力、勤続、資格、日本語力など、評価する項目を明確にします。
「頑張っても何も変わらない」と感じさせない仕組みが、定着につながります。
7.信頼できる支援機関との連携を検討する
育成就労では監理支援機関、特定技能では受入企業または登録支援機関が関与します。
なお、現在の登録支援機関が、自動的に育成就労の監理支援機関になるわけではありません。育成就労に関与するには、別途、監理支援機関としての許可や要件が必要です。
制度だけでなく、現場や生活支援まで一緒に考えられる連携先を選ぶことが重要です。
企業が今から使えるチェックリスト
□ 現在受け入れている外国人材の在留資格を把握している
□ 技能実習、育成就労、特定技能の違いを理解している
□ 外国人材に任せる業務を整理している
□ 技能教育の担当者を決めている
□ 日本語教育を実施している
□ 定期面談を行っている
□ 外国人材の相談窓口がある
□ 評価基準と昇給基準を説明できる
□ 将来のキャリアプランを考えている
□ 外国人材が辞める理由を把握している
□ 制度について相談できる支援機関がある
育成就労制度の開始に向けて企業が慌てる必要はない
育成就労制度は2027年4月1日から始まりますが、技能実習制度から一日で完全に切り替わるわけではありません。
現在の技能実習生には経過措置があり、企業にも準備期間があります。
一方で、「詳細がすべて固まってから考えよう」と待つ必要もありません。
制度が変わっても、企業に求められる基本は変わらないからです。
- 分かりやすく仕事を教える
- 日本語を学べる環境をつくる
- 成長を評価する
- 相談できる関係をつくる
- 将来のキャリアを一緒に考える
こうした職場づくりは、今いる技能実習生や特定技能外国人の定着にも役立ちます。
REが考える育成就労制度と外国人材の定着
育成就労制度が始まれば、外国人材が自動的に定着するわけではありません。
転籍のルールを厳しくするだけでも、人は定着しません。
本人が、
「仕事が分かるようになった」
「頑張りを評価してもらえた」
「困ったときに相談できた」
「この会社で成長したい」
と思える環境をつくることが必要です。
株式会社REでは、外国人材の採用だけでなく、日本語教育、定期面談、生活支援、企業との情報共有を通じて、人が辞めにくい現場づくりを支援しています。
制度に合わせて人を管理するのではなく、外国人材が将来の中心人材へ成長できる仕組みを、企業様と一緒につくることが大切だと考えています。
よくある質問
Q1.技能実習制度はすぐになくなりますか
いいえ。育成就労制度は2027年4月1日に始まりますが、現在の技能実習生などには経過措置があります。全員が施行日に一斉変更されるわけではありません。
Q2.現在雇用している技能実習生はどうなりますか
施行時点の実習区分、実習期間、計画認定の時期などにより、技能実習を継続できる場合があります。対象者ごとの確認が必要です。
Q3.育成就労制度では転籍が自由になりますか
自由にいつでも転籍できるわけではありません。やむを得ない事情がある場合や、就労期間、技能、日本語能力、転籍先の要件などを満たす場合に認められます。
Q4.育成就労から特定技能へ変更できますか
制度上、特定技能1号への移行が想定されています。ただし、必要な技能・日本語水準を満たし、在留資格変更の許可を受ける必要があります。
Q5.日本語教育は企業の義務になりますか
育成就労計画には日本語能力の目標や教育内容が関係します。具体的な実施方法は分野や計画によって異なりますが、企業側にも計画的な日本語学習支援が求められます。
Q6.登録支援機関が育成就労の支援を行いますか
特定技能の登録支援機関と、育成就労の監理支援機関は別の制度です。登録支援機関であるだけでは、育成就労の監理支援業務を行えるとは限りません。
Q7.企業は今すぐ何を準備すればよいですか
在籍する外国人材の状況、任せる業務、技能教育、日本語教育、定期面談、評価・昇給制度を整理するところから始めるとよいでしょう。
まとめ
育成就労制度は、2027年4月1日に始まる、人材育成と人材確保を目的とした制度です。
技能実習制度からすぐに一斉変更されるわけではなく、現在の技能実習生には経過措置があります。
企業が今から準備したいのは、制度申請だけではありません。
- 業務内容を明確にする
- 3年間の教育計画を考える
- 日本語教育を整える
- 定期面談と相談体制をつくる
- 評価・昇給・キャリアを見える化する
制度が変わっても、人が定着する会社の基本は変わりません。
外国人材が「この会社で働き続けたい」と思える環境を、今から少しずつ整えておくことが大切です。
株式会社REへのお問い合わせ
育成就労制度について、「何から準備すればよいか分からない」と感じている企業様も多いと思います。
株式会社REでは、制度の説明だけでなく、外国人材の採用、受入体制の整理、日本語教育、定期面談、生活支援、定着支援まで、企業ごとの状況に合わせてサポートしています。
現在の技能実習生や特定技能外国人の今後も含め、外国人材の受入れや制度変更への準備についてお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。





